水質検査

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プロジェクトでは定期的に水質検査を行っています。
検査方法は2種類あって、市の下水終末処理場の方にお願いして検査してもらっている本格的なものと、
簡易検査パックを使って独自に行っている簡単な検査です。
まず簡単な検査のほうを紹介します.

柏木川簡易水質検査結果表          柏木川水質検査結果表(本格的)

簡易水質検査要領
採水地点 : 島松小学校横 19号橋下       採水時期 : 毎月中旬

まず温度を測ります。 PHを計ります。 これがCOD検査パックです。
中に入っているチューブに針で穴を開けて 水を半分くらいまで吸います。 温度にあわせて時間を計ります。
ピピッっと鳴るまで待ちます。 そして色を見ればCODがわかります。 記録をして
検査終了めでたしめでたし

柏木川簡易水質検査結果表

採水年月日 採水時間 天候(当日) 天候(前日) 色相 臭気 透明度(cm) 水温(℃) PH COD
2000.07.15 9:30 曇り 晴れ 無色 なし 30< 13 7 2
2000.08.18 8:10 晴れ 晴れ 無色 なし 30< 14.5 7 1
2000.09.19 8:10 晴れ 晴れ 無色 なし 30< 13.5 7 1
2000.10.18 8:15 雪/晴れ 晴れ 白濁 なし 30< 8.5 7.3 3
2000.11.11 9:10 晴れ 晴れ一時雪 かすかに白濁 どぶ臭い 6 7 7.6 2
2000.12.20 9:20 晴れ 無色 なし 30< 4.5 7.7 1
2001.01.20 9:10 晴れ 晴れ 無色 なし 30< 3 8 1
2001.02.17 8:40 晴れ 無色 なし 30< 2 7.5 2
2001.03.17 8:45 晴れ 晴れ一時雪 無色 なし 30< 5 7.7 2.5
2001.04.12 8:10 晴れ 晴れ 無色 なし 30< 8 7.7 0
2001.05.19 8:05 曇り 晴れ かすかに白濁 なし 30< 10 8.2 2
2001.06.14 8:10 晴れ 晴れ 無色 なし 30< 11.5 7.7 4.5
※ 透明度…30<は測定に使用するメスシリンダーが30cmの為で、実際は50cm以上の川底が見えている。
※ PH…9月まではPHパック、10月からはPH計。PH計の誤差は±0.3。気温0度以下では測定できないため
    厳冬期は小学校職員玄関で使用。

つづいて本格的な水質検査です。

水質検査採水要領
1 バケツを洗う
2 ボトル3個
@川の水で3回洗う
A口元までびっしり入れる
Bボトルに場所を記入する
3 ふたつきビン(2種類)
A ふたが突起していて、中に試薬が入っている
  @気泡が入らないように静かに容器を傾けて水を入れる
  Aびっしり入れる
  Bビンの横腹をふたで軽くたたく。(気泡を放出するため)
  Cかくはんする
B ふたが平らな方、中に試薬なし
  @半分ほど入れる
  Aこちらはかくはんしない

柏木川水質調査の結果を見て唖然とし、大変重要なことに気がつきました。それは、この川がきれいなのか汚いのかを知りたいのですが、調査項目とその数字だけを並べて見ても、どういうものなのかわかりません。まるで血液検査と尿検査の数字を見て、自分が健康か不健康かわからないまま、昨年の検査結果と比べて安心したふりをしているのと同じで、水質調査の内容もわからないまま、ただ、漠然と柏木川はきれいになったと、自己満足していたのではないかということです。簡単にいえばこの数字だけでは、単純な判断は難しいことがわかりました。

そこで、まず専門用語の説明です。
 [恵庭市の環境](H10年度)と[水質調査の基礎知識]という資料をもとに調べました。

pH (ペーハー:水素イオン濃度指数)
中性の水はpH7 酸性<pH7<アルカリ性
水道用水 pH6.5〜8.5 農業用水 pH6.0〜7.5
水産用水(河川) pH6.7〜7.5
<柏木川の場合>
○すべて6.5〜8.5の範囲内にある。
DO (溶存酸素)
水中に溶解している酸素ガス
20℃の純水の飽和溶存酸素量は   8.84mg/L
魚貝類が生存するためには  DO 3mg/L
良好な状態を保つには  DO 5mg/L
DO 5mg/L以下なら悪臭物質が発生。
<柏木川の場合> 
○すべて7.5mg/L以上であり、溶存酸素が十分に存在している。すなわち、有機物等による酸化反応は発生していない。
SS (浮遊物または懸濁物質)
SSが多いと水の濁りや透明度などの外観が悪くなるほか、魚類のえらをふさいで死亡、光の透過を妨げ、水中植物の光合成を阻害、農業用水の場合は土壌の透水性を低下させ作物の生育を阻害する。
水産用水(河川)2.5mg/L以下が適当
<柏木川の場合> 
○最大 5.1mg/Lであり、環境基準を十分にクリアしている。
BOD (生物化学酸素要求量)
BODが高いということは、溶存酸素が欠乏しやすい。
BOD 10mg/L以上では悪臭が発生。
水産用として、サケ、マス、アユなど 3mg/L以下
コイ、フナ類 5mg/L以下が適当
<柏木川の場合>
○最大3.0mg/L 、平均1.6m/L だからほぼ類型AAまたはAに属している。
COD (科学的酸素要求量)
環境基準はBOD、湖沼および海域はCODで設定されている。
利水目的によるCODは、水道用水源 3mg/L以下
農業用水 6mg/L以下が望ましい。
<柏木川の場合>
○ほぼ、3mg/L以下なので水道用水としても可能ということになる。
大腸菌群数
大腸菌群が検出されたからといって、直ちにその水が危険であるとはいえないが、その水は、し尿による汚染を受た可能性がある。(動物のもの)       
水質基準 0個/cm3  水産用基準 10個/cm3  
今回実施した方法は、環境基準に定められた方法と異なっており、あくまでも参考値と考えていい。

水質は場所、季節、日照、降雨などにより、ばらつきがありますが、恵庭市の資料によると、ユカンボシ川、漁川、ルルマップ川と比べてもそれほど変わらない数字でした。

柏木川水質検査結果表
2000年
水質検査ポイント(調査地点)は全体マップを見てね!

 各年代データは、下の年度をクリックしてね。
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
2017 2018 2019 2020 2021 2022
      

調査地点 道道214号橋下 島松小学校橋下 新国道36号橋下 20号橋下
採水月日 7/28 10/6 12/1 7/28 10/6 12/1 8/4 10/20 12/15 8/4 10/20 12/15
採水時間 7:45 8:40 8:50 8:05 8:50 9:05 8:38 8:40 8:45 8:55 8:55 8:55
天候 晴れ
色相 無色 無色 無色 無色 無色 無色 無色 無色 無色 無色 無色 無色
臭気 無臭 無臭 無臭 無臭 無臭 無臭 無臭 無臭 無臭 無臭 無臭 無臭
水温℃ 14.5 10.0 5.5 15.0 10.0 4.5 16.0 9.0 1.8 16.0 9.5 3.2
透明度cm 100 100 100 100 100 100 85 80 100 100 100 100
pH 7.45 7.26 7.27 7.29 7.13 7.19 7.17 7.03 7.09 7.21 6.96 7.09
DO mg/l 9.50 11.80 10.80 9.18 10.60 10.60 9.30 10.12 12.53 9.10 10.04 12.16
SS mg/l 4.0 1.8 1.5 2.9 2.2 1.6 5.1 2.8 2.9 3.1 1.5 1.5
CODmg/l 1.2 0.7 1.2 1.1 1.3 1.4 1.1 1.3 3.0 2.9 1.0 2.8
BODmg/l 2.7 2.0 1.9 1.7 2.2 1.3 2.2 2.5 3.0 3.0 2.2 3.3
大腸菌群数 個/l 0 0 0 104 2 11 32 22 5 115 10 0
判定基準資料   水道基準に関する省令(昭和53年8月31日)
硝酸性及び亜硝酸性窒素 10mg/l 以下であること
塩化イオン 200mg/l 以下であること
有機物質 10mg/l 以下であること
一般細菌 100集落数mg/l 以下であること
大腸菌群 ND
水質汚濁に係る環境基準について       別表2 生活環境の保全に関する環境基準(1、河川)
項目 利用目的の
適応性
基 準 値
類型 pH BOD SS DO 大腸菌群数
AA 水道1級 6.5〜8.5 1mg/l 以下 25mg/l 以下 7.5mg/l 以上 50MPN/100ml以下
A 水道2級 6.5〜8.5 2mg/l 以下 25mg/l 以下 7.5mg/l 以上 1000MPN/100ml以下
B 水道3級 6.5〜8.5 3mg/l 以下 25mg/l 以下 5mg/l 以上 5000MPN/100ml以下
C 水産3級 6.5〜8.5 5mg/l 以下 50mg/l 以下 5mg/l 以上
D 工業用1級 6.5〜8.5 8mg/l 以下 100mg/l 以下 2mg/l 以上
E 工業用2級 6.5〜8.5 10mg/l 以下 ごみの浮遊なし 2mg/l 以上
専門家の判定では
柏木川の水質は類型AAに属していて、上水の原水として十分使用可能な水質を示している。上水として使用する場合でも、ろ過などによる簡易な浄水操作で良い状況にあり、非常に清澄な水だ。河川の形状等の環境はわからないが、今回得られたデータからは、子どもたちが水辺で遊ぶには、適していると評価できる。
<懸案事項>
1、試料が河川表層水であると推測されるので、底部の状況観察結果を考慮することが必要である。例えば黒色に変化している等。
2、水質状態の判定項目として、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素(富栄養化状況)及び、塩素イオン(人為的汚染:し尿等の混入)及び項目として、河川水位、水量を追加し、判断する方が正確である。
 
昨年の6回の調査でわかったことは、魚の生活、水中植物の成長、人が遊ぶのには十分適しているということです。
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